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便秘に注意

①慢性の便秘は寿命を縮める要因

便秘薬の資料をのぞいていたらこんなことがかいてありました。

 

エルビスプレスリーが42歳の若さで亡くなった原因は、

心臓疾患によるものとされていましたが、

案に違わず別の要素の可能性が高いというのでした。

 

それが慢性の便秘。

 

慢性の便秘によって健康な人の二倍以上の巨大な結腸になっていて、

大量の内容物の充満(便秘)があったということです。

 

大スターのストレスは想像できないくらい大変なものなのでしょう。

 

不眠や不安に対して大量の睡眠薬や抗うつ薬とともに、

大量の麻薬性鎮痛剤を常用していたそうです。

 

抗うつ薬や麻薬の副作用は便秘です。

 

 

 

なぜ便秘が死に至る症状を引き起こしてきてしまうのか。

 

 

慢性便秘の定義として6個あげられています。

 

1.いきみがある

2.硬い便である(または兎糞状(コロコロ便))

3.残便感がある

4.直腸肛門の閉塞感がある(常に詰まった感じ)

5.用手的対応を要する

6.便通が週に3回未満

 

この6個のうち2個以上当てはまると「機能性便秘(慢性の便秘)」

追記として、

 

下剤を使用しないと軟便になることが殆んどないという傾向もあげられています。

 

この6個の中で一番悩みどころが「いきみ」。

 

ある都市の統計結果です。

 

トイレで発症した救急搬送された人の病因について調べてありました。

 

トイレでは血圧が急激に上がって生じる脳出血やくも膜下出血などがいきみをすることによって起こしやすいと考えての調査でした。

 

実際にはいきみの後に起こる血圧の低下や血流の低下が、

心臓や血管の壁について血の塊が剥がれやすい状況を作り出し、

脳梗塞や一過性脳虚血発作を生じていました。

 

心血管病で治療中のお年寄りはいきみをしなくてもよいように気を付けなければなりません。

 

いきみによる血圧や脈拍の変化は、不整脈も誘発する危険性もあるそうです。

 

 

排便をする際の姿勢や便意を感じたときにすぐトイレにむかうなど、

便秘にならない習慣を付けて余病を防ぐ必要があります。

 

便秘をもたらす要因と対策をあげてみると、

1、便が硬いこと→便を柔らかくする(酸化マグネシウム)

2、出す力がよわいこと→腸管を動かす(センナ)

3、滑りが悪いこと→滑りをよくする(アミティーザ)

4、出口に問題がある→(痔疾対応薬)

 

日常的に水分を十分にとれていないと便秘は生じてきます。

 

薬を使うのは一番簡単ですが、

連用すると腎臓に負担がかかります。

 

センナは粘膜に色素沈着を起こし、

酸化マグネシウムは血液中のマグネシウム値の上昇を招きます。

 

薬の副作用予防、便秘予防の基本ラインとして、

また腸管がしっかり動いてくれる血流を確保するためにも、

水分摂取はしっかりしていきましょう。

 

その上で野菜からの食物繊維、

発酵食品からの腸内細菌、その他もろもろ。

 

便のかたまりをしっかり作ってくれる仲間の成分を取り入れてください。

 

結局最後は水分飲んでねコールになってしまいました。

 

②季節の変わりめに増える便秘

今日は大人と子供の便秘に出合う日でした。

秋から冬にうつるこの時期、

便通の相談が増えます。

テレビのコマーシャルでも感冒と便秘と痔のものが増えてきます。

 

さて大人の便秘できた方は、

朝起きるころになるとしくしくお腹が痛くなり、

我慢できないほどではないけれど心配であると見えました。

一緒についてこられた奥さんに、

お父さんの日常生活についてきいてみました。

すると、

寒くなってから暖かい居間のソファでごろごろしながら、

テレビを見ていることが多いということがわかりました。

運動不足もありました。

食欲はいつもと変わりません。

 

なんだか心配そうな表情のせいか、

昔のお父さんよりも小さく見えました。

 

しっかりしている方でも、

自宅だけで自由気ままに話さない時間が多いと、

お花畑の状態に陥りやすくなります。

 

もともとは賑やかなところでお話しするのが大好きな方です。

 

介護申請のちデイサービス利用することをお勧めしたのと同時に、夏ほどは飲めていない水分量について常温か温めて1リットル/日は取るようにお話ししました。

 

水分が不足してくると、

お通じはあっても一回量が少なかったり、

便自体がころころ状態になったり、

おならがまず出てきません。

 

そのためお腹がプーンと張り出してきます。

 

腸管の中をガスが拡張するように移動するときに痛みが生じます。

 

とりあえず座薬もしくは浣腸で排出していただきます。

 

さて次は子供さん。

今日は健診がありました。

 

鼻水を垂らした子や、

泣いている子さまざまでした。

 

胸の聴診のちに、

お腹を触っていると、

先ほど説明したプーンと張り出たお腹が何人かいます。

 

一人一人診察しながら、

 

「お腹痛くない?」

「うん。」

「うんこ出てる?」

「今日はまだでていない。」

「おならはでますか?」

「あんまりでない。」

小さいけれどきちんと答えてくれました。

 

「お水飲んでる?」

「あんまり飲まない。ジュースなら飲むけど。」

「園にいる間に小さいコップ3杯お水飲める?」

「飲めるー。」

「毎日いいうんちが出るようにお水飲んでください。」

 

お花にはお水を毎日あげるのに、

味が付いていないの美味しいのを飲みたいなどの理由で、

自分で知らないうち病気を作りだしている一つだと思います。

 

野菜に含まれる食物繊維ももちろん大切です。

 

腸内細菌を増やしてくれる発酵食品も大切です。

 

でも基本はお水です。

 

腸管の動きも違ってきます。

 

忘れないで飲んでもらえたらうれしいです。

 

③便秘と熱中症と脳梗塞の関係

暑い日が続きます。

いくら水分を取っても足りない状態が続いてしまいます。

その上塩分の含まれていない水分ばかりとっていると、食欲がなくなってしまいます。

先日脳梗塞で入院した人のお話しです。

家族と同居はしていますが、

食事の時だけ顔を見合わせるだけでそのほかの時間は自室に閉じこもりっきり。

自分一人の時間を堪能するのです。

夜遅くまで映画を見たり、ドキュメンタリー作品を見たりするのが大好きです。

最近そのためによる寝坊が多く家族と唯一顔を突き合わせる時間を持てませんでした。

家族もいつものことでしょうと好きなように任せていました。(だっていい大人ですもの)

ところがある日の朝、

朝ごはんの声掛けをしてもいつもと違う様子です。

自分で起き上がろうとしているのにおきあがれません。

顔もむくんで、話し方も少しおかしいです。

こりゃ大変と救急対応の流れとなってしまいました。

なんとか麻痺を残すことなく動いているものの安静第一アルコール厳禁と言い渡されました。

よーく後から話しを聞くと、

便秘で便が硬くなり数日前から下剤をいつもの量より多く飲んでいたと。

下剤で少しずつ出ていたもののすっきり出ないことから食欲低下、水分を十分にとれなくなりました。

(おなかが常に張っているからです)

そこへいつもの夜更かし、家族の健康チェックスルー、すれ違いの朝ごはんの簡略化による栄養不足どんどん数珠つながりに病院搬送コースが作成されていきました。

脳梗塞は日頃から脱水を気を付けていればそれほど簡単にはならない病気です。

何かの拍子で身体から水分が失われたり(下痢、汗、嘔吐、アルコールやカフェイン大量摂取による利尿効果発動)

しなければ便秘、めまい、脳梗塞これら三点セットはわざわざやってきません。

でも今年のうだるような暑さの夏には負けました。

大丈夫と思っていた大人の判断力をも奪ってしまいました。

まあ普段の行動が悪化に拍車をかけてしまっていたのかもしれません。(アルコール毎日、喫煙等)

お花がかれそうになっていたらお水をあげますよね。彼らは一目見ると水が足りないことがわかるから幸せです。

人間はある程度まではほとんど正常かどうかはある程度症状が出ないとわかりません。(それも困った症状ばかりです)

特に高齢者。

朝ごはんしっかり起きて時間通りに食べましょう。

暑い時期の過労(夜更かし、ストレス)は思わぬトラブルを引き起こします。

ゆっくり良い睡眠をとりましょう。

おいしいからといってアイスコーヒーのがぶ飲みや生ビールのおかわりは注意です。

飲んだ先からトイレ通いです。

特に酔っ払って眠ってしまった翌日の朝、手が動かなーいという場合もありました。

お酒を飲んだら必ず水分を十分にとられてから寝てください。

④再び、便秘は万病の素

便秘の季節のためか医療ニュースでも便秘がらみのお話がたくさん入ってきます。

 

腸内細菌叢をコントロールして難治疾患からの離脱を図ろうと、4つの病気があげられていました。

 

①関節リウマチ

②慢性腎臓病

③消炎鎮痛剤(非ステロイド系)による小腸潰瘍

④非アルコール性脂肪肝疾患

 

一見何の関連もなさそうな病気ですが。

 

ここで一つイメージしてみてください。

 

昔の学校の掃除風景です。

 

バケツになみなみと水を汲み、

その中で雑巾を洗っては拭き、

また洗っては拭くを繰り返すとどうなるでしょう?

 

バケツの中の水は透明な綺麗な水から汚れたごみの浮かぶ水に変わっていきます。

 

途中水を変えて掃除を続ける場合もありますが、

大体は一回限りの水の交換で、

最後にはドロドロの汚い水を流すことで終了見たくなってませんでした?

 

こんなことが体の中でも生じています。

 

水は血液の流れに相応。

 

バケツは腎臓。

 

汚くなった水は老廃物をため込んだ血液だったり尿だったり。

 

①関節リウマチの場合

 

お水を十分に飲まず、

便秘をしていると腎臓に負担がかかります。

 

それだけではなく、

便秘によって腸内細菌叢の乱れが起こったときに、

腸内細菌に対する抗体が体内で産生され、

何ということか自身の関節への炎症を引き起こす原因となっているというのです。

 

関節リウマチの治療する事で腸内細菌叢の変化も認められるという報告もあるそうです。

 

愛知医科大学の青木先生の50年にわたる研究の結果、

興味深い事が見いだされました。

(腸内細菌を変化させると関節リウマチの症状の改善できる)

 

先生ご自身より、

「腸内細菌叢のバランスの乱れは関節リウマチの発症の原因になりうると考えられる。」とお話されたそうです。

 

便秘ますます侮れません。

 

②慢性腎臓病→腎不全等

 

腎不全の治療薬は便秘を生じやすい傾向があります。

 

野菜に多く含まれるカリウムや十分な水分を取ることも難しくなる病気です。

 

腎臓の機能が低下しているため尿を作ることができない為、

カリウムや水分が機能以上に余分に摂取されてしまうと死につながります。

 

便秘によって食事の成分が毒性の強い成分に変化して、

バケツのごみのごとく全身を駆け巡ります。

 

トリプトファン→インドール(くさいおならの原因)

 

チロシン→p-クレゾール(消毒薬(クレゾールせっけん)の原液)

 

フォスファチジルコリン→トリメチルアミン(魚の腐ったようなにおいの原因)

(*三つともものすごくくさそう~。)

 

が腸管壁を通り肝臓でさまざまな毒素に変化し腎臓が元気であれば尿として排泄されるはずのものが全身を駆け巡り、

内臓への負担となり病気の素を作り出します。

 

さて話はかわり、

今までの便秘薬の代表であるセンナシドは腸に対する刺激が強

く腸内環境を悪化させかねないこと。

 

マグネシウム入りの塩類下剤は電解質異常を起こしかねない危険があります。

 

しかし先日お話しした新しい働きかけで便通を改善する下剤がここで活躍してくれました。

 

滑りをよくする(腸液の分泌を増やす)便秘薬を使用してみたところもちろん便通の改善は認めらたうえに、

腎機能の改善を認めたそうです。

 

腎不全自体を治療する薬はないけれど、

便秘を安全に改善することで、

腎不全の悪化を助長する要因を減らすことができる=治療の一環として扱えるようになるといわれています。

 

ここでもいかに便秘をどうするかでことが運ばれています。

 

 

長くなったので後の二つは今度書き込みますね。^-^

⑤再び、便秘は万病の素2

さて昨日の続きです。

 

③消炎鎮痛剤≪非ステロイド系≫による小腸潰瘍

 

痛みどめを空腹時に内服すると副作用を生じやすい方たちがいます。

 

胃潰瘍が有名ですが、こちらは対応できるお薬があります。

 

(胃酸の分泌を弱くするお薬で効果あり)

 

小腸潰瘍はあまり有名ではありませんが、

こちらには治療法が存在していませんでした。

 

3カ月以上消炎鎮痛剤(非ステロイド系)を続けて内服している方の半数から9割に小腸潰瘍が認められているそうです。

 

ある実験をしました。

 

腸内細菌の種類としてグラム陽性菌とグラム陰性菌があります。

 

この二種類に効果のある抗生剤、それぞれ陽性、陰性の身に効果のある抗菌薬を普通のマウスに服用させ、

消炎鎮痛剤(非ステロイド系)を投与のち小腸潰瘍ができるかどうかを見ました。

 

するとグラム陰性菌だけをたたく抗菌薬を投与した場合にのみ、

小腸の潰瘍面積が減少することがわかりました。

 

→この事実からは「グラム陰性の腸内細菌が小腸潰瘍の発症に関与していること。」が導き出されます。

 

しかし全体的にこのような実験(消炎鎮痛剤(非ステロイド系)を投与のち小腸潰瘍を作ったマウスに抗菌薬を投与する)では、

抗菌薬を投与しなかった場合に比べてマウスの死亡率が高いそうです。

 

潰瘍の発症予防には抗菌薬は効果がありましたが、

潰瘍発症後には潰瘍を修復するような腸内細菌叢が形成されるのに、

抗菌薬がその有効な細菌叢を破壊してしまうために死亡率が上昇したのかもしれないということです。

 

治療には残念ながら使えません。

 

そこで登場するのが、プロバイオティクス。

 

Lactobacillus属菌の生菌を投与すると、

潰瘍が小さくなったそうです。

 

*Lactobacillus属菌→乳酸菌の一つ、ヨーグルト作成時に活躍する。ラクトバチラス・ブルガリクス、ラクトバチラス・ガゼリ、

ラクトバチラス・アシドフィラス等あり。

 

カルピス 届く強さの乳酸菌 プレミアガセリ菌 CP2305 200ml×24本

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カルピス 守る働く乳酸菌 L-92 200ml×24本

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ラクトバチラス・カゼイ・シロタ株は別名ヤクルト菌と呼ばれるそうです。

 

腸内細菌を良い状態に保つことで、

完全には小腸潰瘍を治すことは難しいかもしれないけれど、

臨床的に問題のない状態に維持できる可能性があるそうです。

 

④非アルコール性脂肪肝疾患

 

ずいぶん昔に、

お酒を飲まないのに肝硬変になって肝癌発症しやすくなるから大変だーという触れ込みで知った疾患です。

 

こちらも実は実は腸内細菌が関与してるというものです。

 

腸内細菌由来の細菌内毒素(エンドトキシン)は肝炎を引き起こしてしまう力がかなり強いそうです。

 

 

動物実験をしました。

 

普通のマウスに高カロリーで脂質成分の多い食事を食べさせると腸管バリアが破壊され、

透過性(腸管から血液への細菌内毒素の移行が増す)が亢進。

 

しかし、

腸内細菌の存在しない無菌マウスではこれらの現象が起こらない。

 

腸内細菌でも細菌内毒素を産生しない菌がいて、

(Faecalibacterium属菌)

その菌が健常人に比べて、非アルコール性脂肪肝疾患の患者さんの腸内では減少しているという結果を得ました。

 

肝臓の線維化(肝硬変へなっていく時に生じる変化)が進むにつれどんどん菌体量の減少、

すると腸管透過性は亢進していき、

細菌内毒素が腸管から血管へ移行しやすくなります。

 

その毒素によって肝炎が悪化するという悪循環が待ち構えています。

非アルコール性脂肪肝疾患の治療としては、

減量が第一ですが、

実行するのは現実的に難しいことが多いです。

 

でもしかし簡単に行動できることがあります。

食事内容を低カロリーで脂質の少ないものに変え、

腸内細菌叢の改善を図っていくことです。

 

**************************

という風に、

4つの病気と便秘についてお知らせしました。

 

 

便秘しないように食餌のバランスを考えて野菜を多くとるようにしましょう。

便通は3日に一度は確実にあるように確認してみてください。

毎日一定量の便通があるかどうか確認してください。

 

結論、老廃物は身体からはやめに取り除いていきましょう。

 

 

 

 

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